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日本における外国人の帰化(日本国籍の取得)について

2025年4月24日

最近、外国籍のお客様からの、帰化申請に必要な書類の翻訳依頼が続きました。この、日本における外国人の帰化(日本国籍の取得)について、①過去50年間の国籍別帰化者の推移、②最近の傾向と特徴、③申請が許可されない理由と、申請が許可されるための留意事項 を記述していきたいと思います。

①過去50年間の国籍別帰化者の推移

1970~80年代にかけて、日本の帰化許可者数は年間6,000〜8,000人程度で推移していました。1972年の日中国交正常化前後、台湾出身者あるいは中華民国を支持する中国大陸出身者の帰化が一時的に増加したものの、この時期は主に在日コリアン(韓国・朝鮮籍)の帰化者が全体の約80%を占めていました。
1990~2000年代は、在住外国人の定住化にともない、帰化者数が年間約15,000人と急増。​2000年代以降、在日コリアンの帰化者数は40~50%と減少し、代わりに中国やフィリピン、ベトナムなどアジア諸国出身者の割合が増加しました。
2020年代に入り、中国籍の帰化者が最多を占める一方で、東南アジア諸国の出身者の帰化が増加しています。

②最近の傾向と特徴(2020年代)

近年、帰化者の数は年間9,000人程度で推移しています。出身国が多様化しており、在日コリアンと中国籍がそれぞれ30%、その他が40%となっており、特にフィリピン、ベトナム、ネパール、インドネシア、ミャンマーなど主に東南アジア諸国からの帰化者が増加しています。​これは、日本への留学や、日本での技能実習制度や特定技能制度の導入により、これらの国からの労働者が増加し、在留期間の延長を経て定住化が進み、帰化を目指すケースが多いです。また、日本人との結婚を契機とした帰化も依然として一定数存在しています。
帰化許可者の平均年齢は34歳であり、20〜40代の働き盛りの層が中心ですが、50代以上の高年齢層の帰化者も増加しています。​2025年1月のデータでは、70歳以上の帰化者が15人おり、最高齢は89歳、​また、家族単位での帰化も多く、0〜19歳の未成年者が95人含まれています。

③申請が許可されない理由と、
申請が許可されるための留意事項

一般的な不許可理由

素行不良・・・犯罪歴がある、税金や年金を滞納している、交通違反が多いなど。
生計が不安定・・・一定以上の収入がなく、自立した生活ができないと判断される場合。
在留資格や在留状況に問題がある・・・不法滞在歴がある、正当な理由のない長期出国歴がある、在留資格に沿わない活動をしていた、入管法違反がある、滞納歴や社会保険料の未納歴がある等。
継続的な日本在住年数が不足・・・原則5年以上の継続在住が必要(ただし特例あり)。
日本語能力の不足・・・日常会話ができる程度の日本語能力が求められる。特に筆記や面接で明らかになることが多い。
その他、書類不備・虚偽申告など

法務局は「不許可理由」を教えてくれる?

法務局は本人に対して不許可の理由を口頭で説明してくれます。書面では通知されないのが原則です(単に「不許可」と書かれた通知が届くだけ)が、申請者本人が法務局に出向いて「説明を求める」ことはできます。具体的な不許可理由を教えてくれない場合もありますが、面談によって、どの要素が原因だったのか(たとえば税金滞納があった、書類が不備だったなど)、ある程度のヒントを得られます。

再申請は可能?

①まず上記の不許可理由を法務局で確認し、②不許可理由を改善し、③提出書類に不備がないかを精査し、④数カ月間の安定した生活実績を作り、⑤再申請、ができます。

 
一度不許可になってしまうと、法務局によっては半年から一年程度の期間をあけて再申請するようにと指導するところもあります。これは、改善された内容に信頼性を持たせるためと言われています。
書類の準備から許可までは実に長い時間と多大な労力が必要となります。
できることなら最初から不許可にならないために、まずは法務局で事前相談を行うことと、誠実な生活を送ること、またスムーズかつ確実な準備をしたい人は、帰化手続きに詳しい行政書士に依頼をするとよいと思います。
日本への帰化手続きは簡単ではありませんが、着実に準備を重ねることで可能性を高めることができます。